パラメータ |
前処理法 |
試験・分析法 |
物質・試験 |
溶出方法大略1)
(推奨適用規格) |
試験・分析大略
(推奨適用規格) |
基準値
乳幼児/成人
(36ヶ月未満/以上)
(mg/kg) |
ISOの水質規格による検出限界2,3)
(mg/kg) |
ISOとJISによる定量範囲3)
(mg/kg) |
革の証明 |
革の採取はISO 2418に準ずる。 |
革を証明するものである。1)仕上げ・塗装膜厚、2)生体組織構造のある部位(毛根、毛穴、銀面、繊維交絡構造など)が確認できるものでなくてはならない。1)についてはISO 17186に従う。膜厚を記載しなければならない。 |
塗膜厚
<0.15mm=150μm |
- |
– |
臭気
Odour |
前処理はSNV 195651に準ずる。
10 cm×10cm角試料革(約40g)を37℃で15時間密閉放置する。 |
判定はSNV 195651に準ずる。
30分毎に3人以上が臭いを嗅ぎ、不快さを5段階で判定する。 |
3級4) |
– |
– |
ホルムアルデヒド
Formaldehyde |
抽出は、1)JIS L1041 アセチルアセトン法(B法)、厚生省令第34号または2)ISO 17226-1,2/IUC 19-1,2またに準ずる。
1)2.5g(エクストラ用)または 1g(成人用)細切1mm角の革を精製水100mL中40℃,攪拌または振とう1h、抽出後、ガラスフィルターでろ過、密栓し室温20℃まで冷却する。
2) 2g粉砕革を0.1%ラウリル硫酸ナトリウム溶液50mL中40℃,攪拌または振とう1h、抽出後、ガラスフィルターでろ過、密栓し室温20℃まで冷却する。 |
測定は、1)JIS L1041 アセチルアセトン法(B)、厚生省令第34号、ISO 17226-2/IUC 19-2または2)ISO 17226-1/IUC 19-1に準ずる。
1)アセチルアセトン吸光光度法(UV-VIS):ろ液5mLにアセチルアセトン試薬5mLを加え、ブランク液を対照として412-415nmにおける吸光度を測定する。なお、エキストラ用でA-A0の値が0.05を超えたときは、①ジメドン法、②HPLCのいずれかで確認試験を行う。成人皮膚接触用で75mg/kgを超えたときは、ジメドン法で確認試験を行う。
2)HPLC:ろ液5mLに4mLのアセトニトリルと0.5mLのDNPH(2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)を加え、10mLにメスアップし、60-180min放置後、HPLCによる検量線法で定量。スパイキングによる回収率測定を行う。 |
16/75/300
(F1/F2/F3)
F1:エキストラ
F2:成人皮膚接触
F3:成人皮膚非接触 |
– |
1)UV-VIS:
16-100 (JIS L1041、厚生省令第34号), 9-75 (ISO 17226-2/IUC 19)
2)HPLC:
0.5-5 (ISO 17226-1/IUC 19) |
鉛
Pb
Lead |
抽出は、ISO/DIS 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO/DIS 17072-1またはJIS K0102に準ずる。
参考
1)AAS: ISO 8288、ISO 15586
2)ICP-AES: ISO 11885
3)ICP-MS: ISO 17294-2 |
0.8/0.8 mg/kg |
0.05 (ISO 15586)
1.4 (ISO 11885-R5))
0.25 (ISO 11885-A5))
0.005 (ISO 17294) |
1)AAS
FAAS;10-500 (ISO 8288-A6)), 0.25-10 (ISO 8288-B6)), 0.1-10 (ISO 8288-C6)), 50-1000 (JIS K 0102)
GAAS;0.5-5 (ISO 15586), 0.25-5.0 (JIS K0102)
2)ICP-AES
5-100 (JIS K0102)
3)ICP-MS
0.025-25 (JIS K0102) |
カドミウム
Cd
Cadmium |
抽出は、ISO 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO 17072-1またはJIS K0102に準ずる。
参考
1)AAS: ISO 8288、ISO 15586
2)ICP-AES: ISO 11885
3)ICP-MS: ISO 17294-2 |
0.1/0.1 mg/kg |
0.005 (ISO 15586)
0.05 (ISO 11885-R)
0.01 (ISO 11885-A)
0.005 (ISO 17294) |
1)AAS
FAAS; 1-100 (ISO 8288-A), 0.025-2.5 (ISO-8288-B), 0.01-2.5 (ISO 8288-C), 2.5-100 (JIS K0102)
GAAS; 0.02-0.2 (ISO 15586), 0.025-0.5 (JIS K0102)
2)ICP-AES
0.5-100 (JIS K0102)
3)ICP-MS
0.025-0.5 (JIS K0102) |
水銀
Hg
Mercury |
抽出は、ISO 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO 17072-1に準ずる。
参考
1)還元気化AAS: ISO 5666 |
0.02/0.02mg/kg |
|
1) 還元気化AAS:
FAAS; 0.005-0.25 (ISO 5666), 0.025-0.5 (JIS K0102)
GAAS; 0.025-0.5 (JIS K0102) |
ニッケル
Ni
Nickel |
抽出は、ISO 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO 17072-1またはJIS K0102に準ずる。
参考
1)AAS: ISO 8288、ISO 15586
2)ICP-AES: ISO 11885
3)ICP-MS: ISO 17294-2 |
1.0/4.0 mg/kg
(共通Ni、Co) |
0.05 (ISO 15586)
0.5 (ISO 11885-R)
0.1 (ISO 11885-A)
0.05 (ISO 17294) |
1)AAS:
FAAS; 5-500 (ISO 8288-A), 0.05-10 (ISO 8288-B), 0.025-5 (ISO 8288-C), 15-300 (JIS K0102)
GAAS: 0.35-3.5 (ISO 15586), 0.35-3.5 (ISO 15586)
2)ICP-AES, 2-100 (JIS K0102)
3)ICP-MS; 0.025-25 (JIS K0102) |
コバルト
Co
Cobalt |
抽出は、ISO 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO 17072-1またはJIS K0102に準ずる。
参考
1)AAS: ISO 8288、ISO 15586
2)ICP-AES: ISO 11885
3)ICP-MS: ISO 17294-2 |
1.0/4.0 mg/kg
(共通Ni、Co) |
0.05 (ISO 15586)
0.03 (ISO 11885-R)
0.05 (ISO 11885-A)
0.01 (ISO 17294) |
1)AAS:
FAAS; 5-500 (ISO 8288-A), 0.05-10 (ISO 8288-B), 0.025-5 (ISO 8288-C), 25-500 (JIS K0102)
GAAS: 0.03-3 (ISO 15586)
2)ICP-AES; 1.5-150 (JIS K0102)
3)ICP-MS; 0.025-25 (JIS K0102) |
6価クロム
Cr(Ⅵ)
Chromium (VI) |
抽出は、ISO 17075/IUC 18に準ずる。
2g細切1mm角の革を,脱気した抽出液(22.8gのK2HPO4・3H2Oを1Lの蒸留水に溶解し、H3PO3でpH8.0に調整後、N2置換)100mLを用いて、3h抽出。液のpHは7.5~8.0であること。pHがこの範囲になければやり直す。 |
抽出液の分析は、ISO 17075/IUC 18のジフェニルカルバジド(DPC)吸光度法に準ずる。
抽出液にDPC溶液を加え、540nmで吸光分析。なお、着色物の妨害を防ぐため固相抽出(SPE)、例えば、RP18により事前除去し、回収率90%以上とする。含有量は乾物換算する。
参考
1)IUC 5(皮革の水分測定)
2)JIS K6550 |
検出せず(nd)/
検出せず(nd)
(検出限界:
<3mg/kg) |
3 (ISO 17075/IUC 18) |
1)UV-VIS:3-125 (ISO 17075/IUC 18) |
総クロム
T-Cr
Total-Chromium |
抽出は、ISO 17072-1/IUC 27-1に準ずる。
2g細切1mm角の革を人工酸性汗液(0.5gのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、5.0gのNaCl、2.2gのNaH2PO4・2H2Oに水を加え900-950mLとし、0.1mol/LのNaOHでpH 5.5に調整後1Lとする)100mLを用いて37±2℃で4h振とう抽出。参考:ISO 105-E04(人工汗液), JIS L0848 |
抽出液の分析は、ISO 17072-1またはJIS K0102に準ずる。
参考
1)AAS: ISO 8288、ISO 15586
2)ICP-AES: ISO 11885
3)ICP-MS: ISO 17294-2 |
50/200 mg/kg |
0.025 (ISO 15586)
0.05 (ISO 11885-R)
0.1 (ISO 11885-A)
0.05 (ISO 17294) |
1)AAS:
FAAS; 25-1000 (ISO 9173-C3), 0.25-5(ISO 9174-C4), 10-25 (JIS K0102)
GAAS; 0.1-1.0 (ISO 15586), 0.25-5 (JIS K0102)
2)ICP-AES
1-200 (JIS K0102)
3)ICP-MS: 0.025-25 (JIS K0102) |
ペンタクロロフェノール
PCP
Pentachlorophenol |
抽出は、ISO 17070/IUC25に準ずる。
1g細切革を1M硫酸20mL・TCG(内部標準マーカー)を加え、500mLになるまで水蒸気蒸留、受器に5gK2CO3を入れ、500mLまで蒸留する。 |
分析は、ISO 17070/IUC25に準ずる。
無水酢酸でアセチル化されたPCPを、電子捕獲検出器(ECD)付きGCまたはGC-MSでアセチル化物として分析し,内部標準で補正して定量、回収率を90%以上とする。 |
0.05/0.5mg/kg |
– |
1)GC/ECD, GC-MS(ISO 17070/IUC25)
0.1mg/kg |
発がん性
芳香族アミン |
前処理はISO 17234-1/IUC20-1とISO/DIS 17234-2/IUC 20-2に準ずる。
①脱脂:1g細切1mm角の革をヘキサン20mLで40℃、20min、超音波バスで脱脂、ヘキサン層を出し、再度20mLを加え同様に脱脂、一晩放置後、ヘキサンを蒸発
②還元分解:脱脂試料に70℃、 pH6の緩衝液17mL加え、密閉して振とう。20% Na2S2O4液1.5mLで10min間、還元分解。その後、Na2S2O4液1.5mLを新たに加え、さらに10min加熱後、水で室温まで冷却。
③抽出:還元アミンを珪藻土カラムで液-液抽出でMTBEに移動し、MTBE抽出液を縮濃 |
分析は、ISO 17234-1/IUC20-1とISO/DIS 17234-2/IUC 20-2に準ずる。
メタノール溶出液及び校正溶液(22種特定アミン7))をHPLC/PDA(フォト・ダイオードアレイ検出器)またはGC-MSで分析。異性体による誤差をなくすために2種類以上のクロマト分析、HPLC, GC, CE, TLCなどを行う。
検出した場合はアミンの種類とその値を記す。 |
検出せず(nd) |
30 (ISO 17234-1/IUC 20-1, ISO/DIS 17234-2/IUC 20-2) |
- |
染色摩擦
堅ろう度 |
ISO 11640/IUF 450に準ずる。
使用面のみ試験をする。ただし、リバーシブル用は両面を試験する。
乾燥試験:規定に従い、試料を採取し、調整する。
湿潤試験:湿潤化は羊毛フェルトのみ調整する(革は行わない)。脱イオン水にフェルトが沈むまで煮沸、室温で吸水量が約1gになるよう余分の水分をふき取り、直ぐ試験に供する。 |
試験は、ISO 11640/IUF 450に準ずる。
羊毛フェルト15mm角(白および黒)により、試験片の上を一定の摩擦距離40mm/幅15mm/摩擦子速度40往復/min/総荷重1000gfで乾燥50回(湿潤20回)の往復摩擦し、フェルト汚染等級を判定する。
ただし、スエード・ヌバックの場合は総荷重500gfとする。 |
乾燥試験
3-4級・顔料仕上げ
3-4級・淡色ナチュラル仕上げ
2-3級・濃色ナチュラル仕上げ
湿潤試験
2-3級・顔料仕上げ
2-3級・淡色ナチュラル仕上げ
2級・濃色ナチュラル仕上げ |
- |
- |
発がん性染料 |
– |
– |
使用せず
(製法宣言リストに従い確認する) |
– |
– |
分析データ
の記載 |
分析値を記入する。NDとは記入しない。例えば、発ガン性芳香族アミンが未検出の場合、<30mg/kgとする。検出された場合はアミンの種類と値を記入する。例えば、ベンジジン:35mg/kg、4-アミノジフェニル:32mg/kgと記入する。 |
色濃度、
仕上げなど |
色濃度は申告による。ただし、平成19年度環境対応革開発実用化事業報告書p21~33(JIS L 0808)に従う。
仕上げは申告による。ただし、平成18年度環境対応革開発実用化事業報告書p96に従う。参考にナチュラル仕上げと顔料仕上げの概略を示す。
ナチュラル仕上げ アニリン仕上げとほぼ同義であり、染色した革に顔料を含まないか、または極少量含み、染料、カゼインバインダー及びワックス等からなる塗料で、革本来の銀面模様の特徴を生かし、革の良さを強調した仕上げ法をいう。参考であるが、通常この仕上げ膜厚は10μm以下の薄い仕上げ層からなる。なお、未仕上げ革の素上げ革、起毛革なども含む。
顔料仕上げ 塗料仕上げと同義であり、顔料、染料、樹脂バインダー及びワックス等を含む塗料を使用する仕上げ法であり、隠ぺい力が大きく、銀面の傷などを修正するのに適し、下塗り、中塗り、上塗りを行う。参考であるが、通常この仕上げ膜厚は30μm以下の樹脂仕上げ層からなる |